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これならわかる。診療報酬制度!

こんにちは、あきです。

病院で働いているといずれ理解しなくてはいけない分野。
それが『診療報酬』についてです。

『わたしは患者を治療するために医療の道にはいったの!金勘定は医療事務に任せればいいじゃない!(お局風)』

では、だめなんですよね。難しい分野だからこそ苦手意識を持ちがちですが、必要なことは実はそれほど多くありません。

ちなみに今回は慢性維持透析をメインでお話しします。



病院も経営を行い、収入を得なければ職員を養うことはできません。職員がいなければ、結果病院はつぶれることになります。
輝かしい医療の本質とは離れてしまいますが、いやらしい話、収入を得なければいけません。

診察や治療行為・薬局での処方等、保険医療サービスに対する対価として病院側が保険者から受け取る報酬を診療報酬といいます。
この診療報酬のお値段は厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会(中医協)の意見も取り入れつつ決めています。

主に診療報酬が発生する内容は『技術・サービス』『物品価格』に対する評価となります。

それらを点数化し、1点10円計算で計算されています。




慢性維持透析では 『基本となる診療報酬項目+加算』 で診療報酬が算定されています。

診療報酬
透析時間と施設基準で細かく報酬が設定されています。
【施設基準】
慢性維持透析を行った場合1
次のいずれかに該当する保険医療機関
①透析用監視装置の台数が26台未満
②透析用監視装置の台数に対するJ038人工腎臓を算定した患者数が3.5未満

慢性維持透析を行った場合2
次のいずれにも該当する保険医療機関
①透析用監視装置の台数が26台以上
②透析用監視装置の台数に対するJ038人工腎臓を算定した患者数が3.5以上4.0未満

慢性維持透析を行った場合3
『慢性維持透析を行った場合1』又は『慢性維持透析を行った場合2』のいずれにも該当しない

この9つのどれか + 各種加算で診療報酬が決められます。



加算としてとれるものにはいくつかあります。

透析液水質確保加算】        10点
①関連学会から示されている基準に基づき、水質管理が適切に実施されていること
②透析機器安全管理委員会を設置し、その責任者として専任の臨床工学技士が1名配置されていること

慢性維持透析濾過加算】       50点
透析液水質確保加算の施設基準を満たす保険医療機関において、透析液から分離作製した置換液を用いる血液透析濾過を行った場合。

【長時間加算(1回につき)】       150点
通常の人工腎臓では管理困難な兆候を有するものについて、6時間以上の人工腎臓を行った場合に算定。
①心不全兆候を認める、または血行動態の不安定な患者
②適切な水分管理、適切な降圧薬管理、適切な塩分摂取管理を行っても高血圧状態が持続する患者
③高リン血症が持続する患者

【下肢末梢動脈疾患指導管理加算】 100点
慢性維持透析患者の下肢末梢動脈疾患について、下肢血流障害を適切に評価し、他の医療機関と連携して早期に治療を行うことを目的に制定。
①慢性維持透析を実施しているすべての患者に対し、下肢末梢動脈疾患に関するリスク評価を
行っていること。また、当該内容を元に当該医療機関において慢性維持透析を実施しているすべての患者に指導管理等を行い、臨床所見、検査実施日、検査結果及び指導内容等を診療録に記録していること。
②検査の結果、ABI検査0.7以下又はSPP検査40mmHg以下の患者については、患者や家族に説明を行い、同意を得た上で、専門的な治療体制を有している医療機関へ紹介を行っていること。
③専門的な治療体制を有している医療機関をあらかじめ定めた上で、当該医療機関について事前に届出を行っていること。

【慢性維持透析患者外来医学管理料】  2,250点
定期的に行われる血液検査や胸部レントゲンなどの検査料。基本的にこれに含まれる範囲内で定期検査をやりくりする。比較的高価な検査も含まれるため、経済的に効率の良い、かつ患者管理において漏れのないよう定期検査を組む。
※項目詳細は膨大な量なため省略させてください(´;ω;`)




上記に挙げたもの以外でも医療機関によっては糖尿病に対する指導加算等、+α取れるものもあります。
これらは病院経営には欠かせない知識となります。
覚えておいて損はないですし、管理職となるなら必須の知識ですので気になる方はぜひ勉強してみてください。



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透析膜の分画特性

こんにちは、あきです。

透析膜の分画特性という言葉を聞いたことはありますか?
学会や勉強会では「シャープな膜特性で…」なんて先生方は言っていますよね。
透析膜においては分子量の抜け具合を分類付けするのに用いています。

何を基準に、何を抜きたくて何を抜きたくないのでしょうか。
現在では主に抜きたい分子量をβ2-MGに、抜きたくない分子量をアルブミンに合わせて設定しています。


この分画特性には『シャープ』と『ブロード』の2種類があります。

シャープな膜とは、アルブミンの漏れを押さえ、β2-MGなどを選択的に除去することを目的にされています。そのため、特定の(主にβ2-MG)分子量周辺以外はそこまで抜けません。

ブロードな膜とは、シャープな膜に比べアルブミンの篩係数が高いため、β2-MGも抜けるけど、アルブミンも抜けるといった感じです。

chart.png
β2-MG:11800、α1-MG:33000、アルブミン:66000




さて、実際治療として使うにはどちらがいいのか。
販売されている製品としてはシャープな膜特性の透析膜が多いイメージですが、私個人の意見としてはブロード膜押しです。


『アルブミンも抜けちゃうじゃない!』


ごもっとも。体を作るための蛋白質・栄養成分ともなるアルブミンを過剰に抜いてしまってはどんどん痩せていきます。また、アルブミンは薬剤とくっつき、各臓器に薬剤を運ぶ役割(DragDeliverySystem)もあります。

一人で何役もこなすなんて大変社畜精神の高い存在ですね。


ですが、腎不全患者では尿毒素を体外に排泄できないため、蓄積されていますよね?
この尿毒素はアルブミンと非常に仲が良く、アルブミンにくっつくことで尿毒素結合型蛋白質として存在している場合があります。尿毒素と結合したアルブミンは体を作る栄養素にも、お薬を運ぶ運送屋にもなれません。
何もできない、無職です。

体に置いといても何の仕事もしないので、抜いてあげて新しくアルブミンを作ってあげましょう、という考え方ですね。

なので多少アルブミンは抜けたところで問題ないしむしろある程度は積極的に抜くべきである。

と考えています。



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陰性荷電膜に血液が接触すると?

こんにちは、あきです。

透析膜にはAN-69膜という積層型ダイアライザーがあります。

この透析膜は電位がマイナスに傾いている、いわゆる陰性荷電膜と呼ばれています。

この陰性荷電膜を使って透析を行う(血液と接触させる)と、ブラジキニンという物質が産生されます。




bura.png

陰性荷電膜と血液が接触することによって血液凝固系の内因系が活性化されます。

→『血液凝固の機序

第Ⅻ因子が活性化され、血漿プレカリクレインに作用しカリクレインを産生します。
さらにカリクレインは高分子キニノーゲンを選択的に分解しブラジキニンを産生させます。

このブラジキニンは血管を拡張させる作用を持っています。
血管が拡張されることで血圧が下がります。ですが下肢の血管が拡張されることで下肢血流が改善され、重症下肢虚血等の症状改善にも期待されています。
→『重症下肢虚血とは?
LDLコレステロール吸着なんかもこの作用を用いて血流改善を狙っています。




このブラジキニン、本来であれば血中キニナーゼⅡ(アンギオテンシン変換酵素)およびキニナーゼⅠにより不活化されます。
その速度たるや素早いもので、血中半減期は約17秒。17秒ほどで半分が失活します。
よってブラジキニンが産生されても過度に血管が拡張されることは起こらないのです。
陰性荷電膜を使用した血液透析ではいい感じに血管が拡張し、おいしいところだけをつまめる作用なのです。


降圧薬の中にアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEブロッカー)というお薬があります。
これはアンギオテンシン変換酵素を阻害し、血圧を下げるのですが、アンギオテンシン変換酵素を阻害することでブラジキニンが不活化されないということが起こってしまいます。
ACE.png


それにより体内にブラジキニンが貯留され、過度に血管が拡張。
結果血圧が急激に低下し、ショックを起こす。
といったことが起こります。なのでLDL吸着や積層型を使用した血液浄化療法では『ACEブロッカーは禁忌』なんですね。

覚えておいて損はないと思います。


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向上心をもって。

こんにちは、あきです。


わたしが目標としているものの一つとして、情報発信があります。

新人の頃、先輩上司は私に何一つ教えてくれませんでした。

仕事を盗め、自分で学べ、甘えるな。

そういう時代だったといえばそうなのでしょう。

それに命を扱う仕事故にやる気をもって自分から学ぶという姿勢を教えてくれようとしたのでしょう。多少大変でしたがおかげさまで今があるので感謝はしております。

ですが今は時代が違うのでしょう。

個人的には、命を扱う現場だからこそ。先輩上司がしっかり教え導きサポートを行うべきであると考えます。

学ぶ場を提供することも、私たちの仕事です。


私自身、技士として漫然と業務をこなすのではなく、若い世代の教育に役立つ情報を発信すること。

新人さんの、レポートの一部にでもなれればいいと思いつつ情報発信をできたらと思っています。

現実は文章構成も内容もまだまだ薄っぺらいですが…




メディッコをご存知でしょうか。

多職種が集まり、情報発信を行う医療従事者による医療従事者の為のサイトです。

こういう活動は素直に尊敬できます。

私自身、いずれはこういう形へ持っていけるよう、頑張らないと。


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腎臓リハビリテーション

こんにちは、あきです。


透析室でじわじわ話題になっています。

腎臓リハビリテーション


腎リハ、なんて略されていますね。

腎リハとは、

『透析患者を対象とした総合的な治療プログラム』です。

患者が日常生活を送り続けられるように運動療法を中心に、薬剤、食事、水分、精神面をサポート・管理を行います。


筋肉量が少ない、適度な運動も難しい患者ほど生命予後は不良であると言われています。

透析患者では適切な栄養指導が入っていたとしても、摂取した蛋白質やアミノ酸は筋蛋白合成に利用されにくく、筋肉量は減少しやすい状態にあります。

そのため、『サルコペニア』や『フレイル』になりやすいんですね。


サルコペニア:
老化に伴って生じる筋肉量の低下。
フレイル:
高齢者の筋量や活動量が低下している虚弱状態。

サルコペニアは筋肉量を主体に評価しており、フレイルは日常動作や栄養状態、認知機能など生活能力を基準に幅広く評価しています。



予防の為には、適度な運動療法はとても大切なようです。

また、透析中に運動療法を絡ませることにより

・透析効率の改善
・ADLの改善
・降圧薬、心不全治療薬減量のための運動療法
・サルコペニア、フレイル予防

など、メリットはたくさんあります。




残念ながら当施設では腎リハは行っていません。

上からは

「やってよー、計画してよー」

とのありがたいお言葉を頂いているのですが…

姉妹病院では腎リハを積極的に取り入れ、透析中にエルゴメーターやチューブ運動などを行っているようです。

クリニックではリハビリ科との連携が難しく、一筋縄ではいきませんが腎リハの有用性はやはり捨てがたい。

若い子中心に計画してもらうのも、ありですね。


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